http://www.2ko2kora2ko6256.com シバジョーのブログ: 小説をブレなく書いていくために用意すべき「作品設計図」

2018年3月15日木曜日

小説をブレなく書いていくために用意すべき「作品設計図」


小説を書き始めるときに、用意しておいた方が良いと思われるのが、『作品の予定表』です。作品がどういった道筋を進み終着点に向かうのか、これをしっかりと予定表として準備しておくことで、余計なブレが作品に生じず予定通りに仕上げることが可能になります。

 小説を書き始める際に「こういう方向で進めて行こう」「終着点まで完璧に構想してあるからあとは書いていくだけだ」と思い、作品を書き進めて行っても思い通りに自分の描いていた道のりを進めないケースに直面したことのある人は多いと思います。途中で道に迷い作品のゴールさえ見失い、いつまでたっても同じところをぐるぐる回っているような、そんな感覚に陥ったことが私にも何度かあります。

 で、どうしてこんな状態に陥ってしまうのか原因がわかりますか。
実は原因は凄く簡単なことでして、作品設定や作品の道のりが曖昧すぎて、作者が自由すぎることなんですね。いわば作者の自由度が高すぎるのです。
登場人物を海に行かそうと考えていて、作品に矛盾点や不具合が起きそうになると、簡単に山に行かせてしまったり、主人公の告白シーンが街角でふいに行う予定だったのを、夕焼けが照らす海を眺めワイン片手に寄り添いながら告白させたりと、その場その場で作者が自由に作品に手を出せる状況ですと、作品が迷子になる事態が多発します。

 ですのでなるべく具体的に作品の設計図を作っておくことをお勧めします。

例えば、恋愛小説で悩みを持った主人公の男性が、女性に告白し二人で店を開くという単純なストーリーの小説だったとしても設計図は必要でして、

〈悪い例〉
主人公→女と出会う→いろいろあって男が告白 付き合うことに→二人でカフェを開く

こんな設定しかしていなければ、作者が作品を書きながら自由に作品に手を出すことが出来ます。自分の作品なのですから、作者が自由に作品を作り上げていくのも悪いとは言えませんが、作品が終着点へ上手く向かわない可能性が出てきます。

それならば、

主人公 会社勤続7年目、息苦しさを感じ退社を考えている→悩みを抱えたまま夜の街へ飲みに行く 主人公の大体のコースは個人居酒屋・バーを一人で→会社で些細な問題を起こしうやむやした気持ちを抱えたまま、いつも通り街へ→二軒目に入ったバーで一人の女性と知り合う→悩み相談をしながら翌日の仕事も忘れたように女性と飲み続ける 女性の仕事は有名なブランドのショップ店員と知る→翌日 眠い目をこすりながらも心の底に薄く熱があることに気づく→昨夜と同じバーに行くとまたその女性 長いこと話し番号を聞き出す→その後何度か夜の街で合うように 思いは一向に告げれず→後日初めて昼間に会い、イタリアンで渋めの赤ワインで昼食→その後女性の過去を聞き、完全に火が付く→老舗のバーを出て、女性の背中に声をかける 色の無い声 告白→女性と付き合うことになる→後日横浜へ旅行→夜を背景に明るく回る観覧車を見ている彼女→観覧車と恋愛に関する話を彼女が話し、目線を下げる→主人公、彼女の細い顎を上げ強引に口づけ→彼女は笑い主人公の頬を撫でる→恋愛に例えていた観覧車の話を、社会に例え再度話す彼女 主人公を勇気づけている?→自分を動けなくしていた考えを捨て退社を決意→会社を辞めることを告げ、自分から離れるなら今だと弱気に告げる(順風満帆な彼女の人生を壊すのが怖いという思いと、自分のような男がこんなにいい女性と付き合っていていいのかと不安な気持ち)→静かに笑う彼女 主人公の顎を引きつけ触れるようなキス→その後何も言わずに帰る彼女 主人公は別れを感じる→三日後 夜 彼女から電話 彼女も会社を辞めることを聞く→夜の街へ走り彼女との待ち合わせ場所へ走り 退社理由と自分についてくるという彼女の意思を聞く その後・・・→お互いの夢でもあった小さなカフェを街の外れに開くことを決める→カフェを開くための準備などは彼女との恋愛の進展の陰で進める→カフェ開店へ

 急いで書きましたのでめちゃくちゃな話の展開になっていますが、実際の設計時には要所要所でもっこ細かく心理描写や情景描写に関することなども書いていくことを進めます。
そしてもう少し読者を引き付けるためのインパクトが欲しいですが、「単純な恋愛小説」と題していますから、それはご勘弁を。

 ですがこうやって作品の設計図を書いておくだけで、作品に深みを持たせることも出来ます。例えば、主人公の男が初めて彼女のに口づけするシーン。『彼女の細い顎を上げ強引に口づけ』となっていますが、これって遊び慣れた自分勝手な男なら結構やりがちなパターンですが、主人公を気弱で奥手な男に設定しておくと、この行為だけでも読者を「おっ」と、思わせることが出来ますし、その後に女性が『笑い主人公の頬を撫でた』と書いてあることから、この女性は突然の主人公の行為にも動じず大人びた女性であることがわかり、女性の性格設定などにも困りません。そして後付けのように思われるかもしれませんが、『大人びた女性』ということから、作品に書くか書かないかは別として、『大人びた女性』になるための彼女のこれまで生きてきた道を考えやすくもなりますよね。←作品に書くことは無くても作者は登場人物の過去も知っていなければ、薄っぺらいキャラになってしまいます。

 付き合ったあたりで、この女性の過去の面倒な男なんかを二人の関係に絡めて来ると面白いかもしれませんが、シンプルに書いてみました。
こういった設計図があるだけで、作品は終着点へ上手いこと進むようになります。


  シバジョーのつぶやき


少し前に話題になっていましたが、珍しく残業をした奥様が旦那様と最寄り駅で待ち合わせ、一緒に帰宅していた旦那様に「今日何食べたいの?」と尋ねると、「残業で疲れているだろうし、もう遅いから簡単なものでいいよ」との返答があり、奥様がホッとしていると、旦那様が突然「とんかつがいい」と言い放ったそうです。
この発言に奥様は驚き「ええっとんかつ!?簡単なものじゃないでしょ」と抗議したそうですが、旦那様は「なんで?ただ揚げるだけでしょ」と当然のように答えたんですって。
 きっとこの人は料理なんてしたことが無いんでしょうね。とんかつ作るなら、肉叩いて小麦粉つけて玉子つけてパン粉つけて…いろいろ大変ですし、油の処理もしなくちゃなりません。それに跳ねた油を拭いたり…これを残業を終えて疲れた奥様にやらせようなんてヒドイですよね。
 帰り道で何か買って帰ればよかったのに。とんかつが簡単な料理って…


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