私は普段お菓子はほとんど食べませんが、昔懐かしいお菓子の魔力に今やられてしまっています。そのお菓子とは何か。タイトルにガッチリ書いてしまっているので、もうお分りでしょうが「チョコチップクッキー」です。
久し振りに「チョコチップクッキー」を食べたのですがもう、美味しくて止まらなくなってしまっています。大人になればお菓子など見向きもしなくなるだろうと思っていて、事実普段はほとんどお菓子を食べない私ですが、何故か今ドハマりしてしまっています。
私にとってチョコチップクッキーって、美味しいだけではないんですよ。なんだろう。言ってみれば『幸せのつまった部屋のドアノブ』と言った感じでしょうか。食べるたびに幸せに浸れるお菓子なのかもしれないですね。
一欠けら口に放り込めば、昔何度も訪れたお爺ちゃんの家を思い出すような感じ。キレイに並べられた小物をとっかえひっかえ手に取る私をよそに、クリープをたっぷり入れた甘いコーヒーを作るお爺ちゃんの、愛しくて、濡れた花びらからわずかな香をもらい受け地面に帰る雫のような寂しい影を思い出してしまいます。もう戻れない時間に背中を預けるような、撫でられるような・・・ 婆ちゃんの視線を感じながら、青と白のサイコロを積み重ね笑っていた、幼い自分のぼやけ霞んだ姿を思い出してしまう味でもあります。
自分の弱さや駄目なところを寛容に包み込み、「それでいいんだ」と認めてくれるような。
語りが多くなってしまったのでチョコチップクッキーの話を少し。
『幸せのつまった部屋のドアノブ』と私が名付けた、チョコチップクッキーがどうやって誕生したか知っていますか?
1938年にマサチューセッツ州で、宿屋兼レストランの経営をしていたウェイクフィールドさんという人物が、チョコチップクッキーを発明したのですが、その経緯を軽く説明しますね。
宿泊客のためにウェイクフィールドさんはクッキーを作っていましたが、その日はチョコレートクッキー用に普段使っていたチョコレートを切らしていたため、代用品としてネスレのセミスイートチョコレートを、溶かさずにそのまま刻んで、クッキーの生地に加えて焼きました。
ウェイクフィールドさんは、焼いた時にチョコレートが溶けて生地と混ざると考えていたようですが、ネスレのセミスイートチョコレートは脂肪分が少なく、チョコが溶けることはなくそのままの形で仕上がってしまいました。これはウェイクフィールドさんにとっては完全な失敗作のクッキーでしたが、スタッフや宿泊客達にはかなりの好評で、いつの間にか宿屋兼レストランの人気メニューとなりました。そしてその後、新聞にもそのレシピが掲載されることとなり、それを気に地元にも一斉に伝わり大人気となり、ネスレのチョコレートの売り上げも急増したそうです。
そして、ネスレのチョコレートパッケージにもウェイクフィールドさんの考案したレシピが掲載されるようになり、ウェイクフィールドさんにはネスレから一生分のチョコレートが送られたそうです。
余談となりますが、トール・ハウス・クッキーというチョコチップクッキーのブランド名は、ウェイクフィールドさんの宿屋にちなんで名づけられました。
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