http://www.2ko2kora2ko6256.com シバジョーのブログ: 仮面に吹く風

2017年8月16日水曜日

仮面に吹く風

 本日は読み物を一つ。
また絵画を使わせていただいた作品です。
使用したのはヴェッファ作『青い背景の道化師』とカシニョール作『夕べ』、ピーテル・ブリューゲル作『バベルの塔』 そして前の作品で使わせてもらったフェルメールの『真珠の耳飾りの少女』です。





 この作品は短いのですが多くの部分で悩んだ作品でもあります。そして作品構成を考える上で一つのルールも作りました。そしてたった一言を入れるか入れないかで二日悩んだ部分もあります。それらを明かした上で読んでいただきたいとも思うのですが、しかしそれを読む前に作者から開かされてもつまらないでしょうから、あえてここでは伏せておきます。
 私の作品を待ち望んでいてくれている人の存在も知り、急ごしらえで作った作品ですがなんとか形になりました。
 是非お読みいただき楽しんでいただけたらと思います。
コメントいただけたら幸いです。


      ・仮面に吹く風

「綺麗な風ね」
バベルの塔から吹く風が、大きな帽子で半分ほど隠れた女の髪を微かに揺らした。
強い風により繊細に揺れる女の髪を道化師はただ見ていた。
「ここがあなたのお気に入りの場所なのね」
「気に入ってはいないよ。ただあの塔を眺めるんだ。それが日常なんだ」
風は収まり、美しく揺れていた髪留めからこぼれた数本の黒い髪は、女の首筋をなぞるようにしなだれた。
 女が涼やかに眺める柵の外側には人間たちが神に少しでも近づこうと建設し、それゆえに神の怒りを買ったとされるバベルの塔が荘厳な姿で大地に腰を下ろしている。
道化師の父は宗教に没頭するタイプの人間であり、バベルの塔が持つ意味合いを幾度となく息子に教授したが、目の前の塔は道化師にとって人が人であることを認識するために作り上げた、壮大で美しく、それでいて空虚な塔に過ぎなかった。人間は神に近づこうとしてこの空っぽの塔を作り、いくら背伸びをしても人間は人間から抜け出せない事を知ったのだから。
「君にはバベルの塔がどう見える?」
女は少し考え口を開く。
「私とあなたは全く違う人間よ」
塔に対する意見を求められた女はこちらを見もせず、自分は道化師ではなくまともな人間だと主張し、言葉を続ける。
「あの塔は私達と同じ」
再び吹いた風に乗り、微かにフルーツの香りをまとった女の不思議な言葉が青の背景を持つ男に届いた。
「あれだけ大きな形で在りながら、あの塔は一人ぼっち。きっとあの塔が世界の真ん中にあったとしても、それは変わらないわ。世界の真ん中という隅に居場所を見つけてしまう塔」
「世界の真ん中の隅か。そこからは何が見えるんだろうね」
女の足が二度地面を蹴った。
「ここと同じよ。青い空を眺めることが出来るわ」
「その青い空はどんな表情をしているのだろう」
落下防止用の柵に手を置き、背を伸ばす女。その背中は心配になるほど華奢だ。
「世界の隅にいるんだもの。そこの空はのどかで穏やかに決まってるわ。その青い空を飛ぶ鳥たちが自由気ままに線を引くのよ。豊かな生命の証」
「ここの空は?」
「青色だけど穏やかではないわ。欲望が滲み出てる」
男は前を向いたままの女に一歩踏み寄る。その気配を察したのか、女は大きな帽子をさらに深くかぶった。その様は10月の末日に黒猫とカボチャのお化けを引き連れる魔女を思わせた。目を細め男は言う。
「人は自分の生み出した欲望に簡単に操られる。自分の器には到底収まりきらないほど大きなものを望み、空を汚し、命を奪う」
「どこまで行っても欲望に塗れたままか。つまらない人生ね」
「それが人間だろう」
帽子の魔女は気の向くままに振り返った。大きな帽子の影となり表情は確認できなかったが、整った輪郭と口元、鼻先、白い肌からこの女性は強い美を兼ね備えていることを男は感じた。触れたくなる美に心を落ち着かせ、静かな湖面に一滴の雫を落とす。
「目の前に太く座るバベルの塔だってそうさ。人間たちが神に近づこうという欲望を持ち、あそこまで築き上げ、それにより神の怒りを買い言葉を乱された。私達が使っているこの言葉すら、世界中に散らばった多くの人間達には理解できないんだ。憐れで笑えてさえくるよ。結果、神を目指した人間たちは、自分の思いすら満足に伝えることが出来なくなった」
女の唇の両端がゆっくりと上にあげられた。どうやら女は笑ったようだ。
「あなたもその愚かな人じゃなくて?」
「私は違う」
「あら、どこが?」
男は視線を強め笑って見せる。全てを悟ったかのような道化師の不敵な笑み
「見ればわかるだろう。私は道化師であり人ではない」
女は手に下げたバッグから小さな瓶を取り出し、その中の色とりどりの乾燥した果物の中から乾いたオレンジを取り出し尖らせた唇でつまんだ。生き生きとした薄い唇で渇いたオレンジを上下に動かす様は、南国の大樹から熟した果物をついばむ鳥を思わせた。世界中を飛び回ることが出来るのに、世界で起きている問題など目にも留めない優雅な化鳥。
 緩やかな風が一つと半分吹く間だけ女は口先でオレンジをもてあそび、生命の循環を補わせるためか、もしくは乾いた果物の味を楽しむためか、口内に放り込み喉に通した。
「あなたは人間よ」
バベルの塔から吹く風に、今度はオレンジの影が感じられた。
「よく見なさい。私のどこが人間だというのか」
「先から先まで。あなたには羨ましくなるだけの人間らしさが溢れているわ」
女は笑い言葉を続ける。
「おかしなメイクをして、禍々しい背景をぶら下げてはいるけれどね」
「それこそが私が道化師である証明なんだ」
女は再びバベルの塔に向き直り、黒く大きな帽子を上げた。
「綺麗な空気ね」
世界の果てまで広がる青空の一部になったかのような女の背中に男はうなずく。目の前の青空とは違う、禍々しい青の背景を背負ったまま。
「少し歩かない?」
「何故?」
「理由なんてないわ。あなたがここに立つ理由は?」
「特にないな」
「じゃあ歩きましょう」
振り返った女は初めて確かな笑顔を見せた。夕暮れが迫る空のような少し寂しげな笑顔。
返事も聞かずに歩き出した女の後を男は追う。一人佇みバベルの塔を見下ろすことは、今日の道化師には憐れな行為に思えた。そう、神に近づこうと決死の思いでバベルの塔を建てた人間達と同じ憐れな行為。
 草を強く踏み、追いついた背中に男は声をかける。
「君はいつもこうなのか」
「こうって?」
「君を怒らせてしまうかもしれないが、君は自分勝手だ。いや、この言葉は適切ではないな」
男は防止の丸い影を踏める距離で速度を落とした。女と並ぶよりは賢い選択と男は自身を納得させる。
「自由奔放だ。あるがままに生きている」
「そうやって生きるのが人間なのよ」
「ならば君の行動は私には理解できないはずだ」
草の上に転がる小石を、細く長い足で女は空に飛ばす。憐れな小石。多くの石の中に埋もれていれば蹴り飛ばされる必要などなかったろうに、緑の布団の上で一人日向ぼっこなどしているから意味もなく宙を舞う羽目になったのだ。
 何の気なしに女に蹴り上げられた小石はすぐに速度を失い、バベルの塔が仰々しく座る柵の外側に落ちて行った。自分と似た小石の行先を目で追っていると、いつの間にか女は立ち止まっていた。
「あなたは道化師だから?」
「そうだ。人間の事は道化師にはわからない」
整った美しい顔を、女はわずかに横に傾けた。
「何故あなたはその道を選んだのかしら」
「私にもわかるように言ってくれないか?」
「何故、道化師になったの?」
道の先に広がる木々の通路から緑色の香りが漂い、男はそれを小さく吸う。
「おかしなことを聞くね。君が人間であることと同じだよ。私は道化師だから道化師として存在しているんだ」
「道化師だって元は人間でしょう。この世に導かれた瞬間から道化師なんてことはあり得ないわ。どんなに賢い猿にだってあなたのように道化を演じることは出来ない。人間しか道化師にはなれないのよ」
道化師が黙ったままいると、帽子の女は言葉を続けた。
「どんなに演じることが上手い道化師でも一枚皮をはがせば中身は人間よ。あなただってそうでしょう」
「違うよ、私はただの道化師だ」
「あなたは賢い人だもの。自分が何者であるか気づかないわけがないわ」
「私に賢さなどないし、それを持つ必要もない」
女は呆れたように大きく首を回した。
「真っ白なカフェの中であなたは私に語ってくれたじゃない。バベルの塔についてあなたのお父様から聞いた話に、自分の見解を織り交ぜて切々と。あなたの話は面白かったし、それに美しさもあったわ。私はあなたの大きなバスケットから溢れ出るほどの知識に魅せられたのよ」
道化師日は顔を上げ空を見る。
「あの時の君はふて腐れたようにさえ見えたから、私の話は君にとってよほどつまらないものなのだと思っていた」
「つまらないのなら、あなたと一緒に塔を見になんか来ないわ。あれはあなたと話をする前に数人のつまらない男達から声をかけられて、うんざりしてその流れを引きずっていただけ」
「私との対話時にまでその流れを引きずっていた。つまりそれは、ふて腐れていたという事ではないのかな」
大きな帽子の下で女は笑った。
「そうね、あなたの言う通りよ」
華々しい笑顔に男の心は微かに揺れ、奇抜なメイクを施した顔に手を当てた。厚く塗りたくったメイクの乾いた感触が指先に触れ、男はすぐに手を離す。

 新緑の木々の通路に入り再び帽子の女の後を追っていると、通路の向こうから一人の少女が歩いてくるのが見えた。少女は青いターバンを巻き、耳には真珠の耳飾りを付け、青空に照らされた生命の香りがする木々の中を静かに歩いてくる。身なりも変わっているが、それ以上に言葉では表せない不思議な空気を持つ少女だった。
 帽子の女もそれに気づいたようで、女の薄い背中に緊張が走ったのが道化師にはわかった。それでも女は警戒した様子は見せずに、青いターバンの少女に声をかける。
「こんにちは、今日はいい天気ね」
大人びた様子の少女はうなずいた。そのたった一つの動作には、幼いながらも品性の良さを感じさせるものがあった。少女の耳で揺れる真珠のように光ろうとせずも光る品性。
「どこから来たの? 今日は一人?」
青いターバンの少女は、木々の枝や葉が重なり緑の天井と化した頭上を指さす。
「この綺麗な緑の輪の先にあるカフェにいたの。一人でね。私は人と話すのが好きだけれど、こうやって一人で歩くことも好きなの。心を高ぶらせることなく、豊かな自然の一部のような気持ちで歩くと、心のどこかに隠されていた自分自身と対話できる気がするの」
透き通った声が鳴らした言葉には知性も感じられた。少女ではなく大人の女性であるのかもしれない
「素敵ね。あなたと隠れていたあなたが対話をするなら、きっと素敵なことが起こりそう」
「ありがとう。私ね、心の中で私自身にもハーブティーを淹れてあげるの。ラベンダーやローズマリー、その日の気分で淹れる種類は違うけれど、いつでも柔らかで優しい香りが私達を包み込んでくれるのよ」
言葉をほんの数回交わしただけで大きな帽子の女の背中から緊張感は消えていた。この少女は人の心に安らぎを与えるハーブの精ではないかと道化師は思う。
高い腰を少しかがめ、少女と視線を合わせた女は楽しそうに聞く。
「香りに包まれたあなた達はどんな話をするの?」
心に温かい毛布を与える少女は笑った。その表情には大人びた容姿や言葉遣いに隠された、子供の顔が透けるようだった。
「そうね、この数日の間に心の外と中で起こった出来事を話し合ったりするの。こんなに面白い本があったのよとか、凄く美味しい紅茶を見つけたのとか、酔っ払いのおじさんが素敵な詩を歌っていたって教えてあげるの。すると心の中の私が教えてくれるのよ」
帽子の女は楽しそうにうなずいている。
「私がその面白い本を見つけた時、心の中ではこんな変化があったのよ。美味しい紅茶を飲んだ時も、酔っ払いのおじさんの詩を聞いた時にも心の中はこんなに輝いていたのって。どれだけ小さくてもいいから生きていく喜びを感じることが大事だと、心の中の私はいつも教えてくれるの。だから私の心の中の引出しには素晴らしい思い出がたくさん」
女は青いターバンの少女に、鼻先が触れるほど顔を近づける。
「素敵な話をありがとう。あなたのおかげで私の心に黄緑色の鳥が飛んだわ」
「黄緑色の鳥?」
「そう、か弱い黄色を緑色が優しく包み込んだ美しい鳥。幸せを感じると私の心にはその鳥が飛ぶのよ」
青いターバンの少女は至福の笑顔を見せた。
「こちらこそありがとう。それじゃあ私そろそろ行こうかな」
「ねぇ、これからお姉さん達ともう一度カフェに行かない? あなたともっと話がしたいわ」
少女は小さく首を振り、その振動で耳飾りが揺れ木々の隙間を縫い届いた陽の光を弾く。
「あなたたちは二人で行った方がいいわ。今日はきっと私はお邪魔」
「そうかしら」
青いターバンの少女は笑みを崩さぬまま道化師を見る。何故か内心をくすぐられている気がして道化師は少女から目を離す。
 二人の様子を見ていた大きな帽子の女が、その場を取りなすように口を開く。
「おかしな顔してるでしょう、この人。こんな厚塗りのピエロみたいなメイクしてね」
帽子の女の言葉に少女は遠慮することなく首を縦に振る。
「ね、こんなメイクやめればいいのにね。でもねメイク落とすのは嫌なんだって。『これが道化師の証だ』なんて言うのよ」
「私もやめた方がいいと思うわ」
少女の返答は早かった。
「でしょ、絶対やめた方がいいわよね。あんなメイク」
少女は防止の女から離れ一歩二歩と道化師に近づいてくる。そして道化師が恐怖を抱く手前の距離で足を止めた。
「お兄さん、仮面をつけてまで笑われるのなら、素顔で笑われた方がずっといいわ。人が人として生きようとして、そんなあなたを笑う人達なんて最低よ。それならあなたも笑い返してやればいいわ。笑われてもけなされても、あるがままの姿で生きるの。そして心許せる人達と美味しいものを食べて笑い合うの。そして優しい香りと味の紅茶を飲む。きっとその方がいいわ。うん、その方がずっといい」
帽子の女は何も言わず後ろから少女を抱きしめた。
「素顔のあなたはきっと素敵よ」
その場に立ち尽くしたまま、道化師は口を開く。
「そうだろうか」
「ええ、きっと」
木々の上で鳥が鳴き、それと重なるように仮面のひび割れる音が聞こえた気がした。
 ゆっくりと緑の通路を歩き始めた少女。その背中に帽子の女は声をかける。
「今日はありがとう。必ずまた会おうね。その時こそお姉さんがカフェで好きな物おごってあげるから」
優しい笑みで少女は振り返る。
「必ず、約束ね」
短いが信頼のおける言葉を帽子の女に渡し、もう一度道化師の目を見つめる。深く静かな水晶玉のような瞳。
「あなたなら大丈夫。次に合う時にはあなたの顔で笑って見せて」
その言葉を最後に再び歩き出した青いターバンの少女を、二人は黙って見送った。涙の雫のような真珠の耳飾りを揺らす少女の背中が見えなくなるまで、ずっと。すべてを受け止めるかのような世界の真ん中の隅を思わせる空の下、耳には鳥たちの鳴き声が届き、深々と揺れる木々の中には自分の素顔を覗いてくれようとする女性が一人。
男は安らぎに触れた気がした。
 青いターバンを巻いた不思議な少女を見送り、二人は木々の通路の先にあるというカフェに向かい歩いていた。男の隣を歩く帽子の女は、木の枝の先に実る果実に目を向け突然小走りを始める。
「おい、どうした」
男の声が聞こえないかのように女は走り、「ごめんね」と言い枝から濃い赤色の果実を切り離し、大きく噛った。果実を口に含んだ女の口元からは透明な果汁がみずみずしくこぼれ出していた。
 女は半笑いを浮かべ、大きく欠けた果実を男に差し出す。どうしていいか困惑していた男を見て女は「あ、嫌だよね」と、気など使う必要はないのに果実を割ろうとする。その行動に男も笑い、女の手から太陽のように赤い果実を奪い取り、女の歯型が残るその上からさらに大きく口を開き噛り付く。口の中に甘酸っぱい生命の味が広がった。
「意外だった」
帽子の女は微笑み男を見ている。
「何がだ?」
「あなたの事だから、子リスのように食べるのかと思ってた。削る様に果物を食べる姿も見てみたかった」
「うるさい」
男の腰に女の小さな拳が埋め込まれた。
「でもなかなか野性的でよかったよ」
「うるさい」
二人の歩く木々の通路の先には強く光が差し込んでいた。どうやらあそこでこの通路も終わりらしい。目当てのカフェも近いようだ。帽子の女は聞く。
「気分はどう?」
「気分か。そうだな、悪くはない」
男は随分小さくなった果肉を口の中に放り込んだ。
「美味しかったでしょ」
「ああ、とても」
「あの果物ね、昔私が住んでた家の周りでたくさん生ってたの。庭に出ると果物と花の香りがして、空気がとても綺麗だったんだ」
女の言葉を紡ぎ合わせ、男は頭の中で女の故郷を想像する。涼やかな風が吹く中、庭を駆けずり回る一人の女の子と果実や花の香り。女の子を見つめる農作業中の両親の穏やかな顔。いつまでも続いてほしい穏やかな光景。
「きっといい所なんだろうな」
「今度案内してあげようか?」
「私を?いいのかい」
女は腕と背を伸ばし、吹き抜ける風のように微笑む。
「何よ、一つの果実を分け合った仲じゃない」
照れを隠すため男は微笑みから目を逸らす。
「そうだね。ありがとう」
 木々の通路を抜けたところには広場があり、散らばる様にベンチが三つと、子供が置き忘れていったのかサッカーボールが一つ、そして水飲み場。その広場の奥に木造のカフェが一軒ポツンと建っていた。二人の頭上には抱き留めたくなるような青空。男は空を見上げ一人笑った。
「いい機会かもしれないな」
「ん?何が」
空に向けた笑みと同じものを髪を抑え風に吹かれる女に見せ、男は水飲み場に向かい頭から冷水をかぶった。そして手の平で強く、乾いた顔をこする。一分ほど水を出し続けた後、男は自分の服で顔を拭き、退屈そうにサッカーボールを蹴る女の前に立った。
 数秒男の素顔を見つめ、女は笑顔で深く頷いた。
木造のカフェに向かい、並び歩き出した二人を撫でるかのように風が吹いた。
「綺麗な風ね」

                                芝本丈

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