市川拓司さんを、皆さんはご存知でしょうか。
映画化もされた「いま、会いにゆきます」などを執筆された作家さんです。
作品の粗削りをしているうちに煮詰まってしまったので、先日は仕事を休み、朝からずっと市川拓司さんの作品を読んでいました。
仕事をしない日に読むのには理由がありまして、市川拓司さんの作品を読むと、その素晴らしさに感化されてしまい、私が執筆している作品の端々に市川拓司イズムが顔を覗かせてしまうのです。
市川先生の作品には独特の心地よさや、ゆったりと風に揺れるタンポポの綿毛のようなリズムが、私の生まれ持った「のんびり」とした気質に合うのかもしれません。
紅茶を注ぐ前のティーカップのような、暖かい文体です。
そして読み進めていくと、ミルクティーの柔らかな甘みのように、作品の持つ空気に包まれていきます。
見慣れた午後の日差しさえ愛おしくなるような、そんな気持ちにさせてくれます。
でも市川先生の作品に魅せられ、文体を模倣したくてたまらなくなってしまうのです。
市川先生の描き出す色を、自分の作品にも載せたくなってしまいます。
ですので、市川先生の作品を読むのは、仕事をしない日だけにしています。
のんびりとアクビを重ね、ミルクティーが注がれるのを待つのです。
そうすることで、足りない気持ちが満たされ、心を整えることが出来ます。
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